王室研究会連合活動記録

大学連合サークル、王室研究会の日々の活動を綴ります。

皇韻を探る#1 後醍醐天皇皇女・用堂女王編 鎌倉/東慶寺 

今回から新連載です。

 

タイトルは「皇韻を探る」です。

 

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ここでは

  1. 初代神武天皇の子孫である皇胤の研究
  2. その皇胤たちが残した余韻をめぐる旅

をお送りしていきたいと思います。

 

天皇ももちろん皇胤に当たります。このシリーズで天皇を扱う場合はその詳細をすでにシリーズ化されている「天皇陵制覇の道」に任せます。

 

記念すべき第1回は

後醍醐天皇皇女・用堂女王』

です。

 

それでは参りましょう!

 

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鎌倉は山内谷です。北鎌倉駅からすぐに東慶寺はあります。

ここに、第96代後醍醐天皇の皇女である

「用堂女王」

の墓があります。

井上ひさしの『東慶寺花だより』を原作においた映画『駆込み女と駆出し男』の舞台ともなったこの寺。

原田眞人監督脚本の早口の江戸言葉には思わず口が開いてしまいました。

それほどリアリティーを追求しているということでしょう。

大泉洋主演、満島ひかり戸田恵梨香(敬称略)の助演も圧巻です。是非ご覧ください。 

映画の宣伝はこの辺にして、すこし東慶寺について語りましょうか。

 

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東慶寺鎌倉幕府第8代執権北条時宗が正妻、覚山尼を開創としています。 

駆け込み寺の異名を持つこの寺は、中世から近世までの封建社会の中で、女性にとっての唯一の拠り所となりました。

先述の映画はこの一幕を語ったものですね。

昔は夫から離婚を望むことは可能であっても、妻側から離縁を求めることは不可能でした。 

そんな中、この駆け込み寺は離縁状を夫へ突きつける唯一の手段だったのです。

東慶寺の石段には駆け込んだ女性の様々な思いが苔と共に染み込んでいる気がします。

 

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用堂女王は東慶寺の5世尼です。東慶寺では用堂尼と呼ばれています。 

女王は兄である護良親王の菩提を弔うために入寺したと伝えられています。

 

護良親王は鎌倉の地で足利直義の追手に首をはねられました。非業の死を遂げた戦う宮さま‘‘護良親王’’は今も鎌倉宮の裏山に眠っています。

 

用堂女王が東慶寺に入寺して以来、同寺は

「松ヶ岡御所」

と称されるようになりました。 

現在でも東慶寺の総門には「松岡」の2文字が見えます。

また、豊臣秀頼の息女が20世天秀尼となっています。

一層、東慶寺の権威は上昇していきました。

しかし一方、幕府お墨付きの駆け込み寺は帰って幕府側にとっても扱いにくい寺となっていたようです。

 

菊と葵が共に咲くこの東慶寺

まさに花の寺であったのだろうと思います。

 

用堂女王の生涯に関しては詳しいことがわかっていません。

母は未詳とされています。 

「皇胤を探る」第1回でこのような始末になってしまい申し訳ないです。

ただ、東慶寺の第5世‘‘用堂尼’’として入寺し、‘‘松ヶ岡御所’’として同寺を現在までに渡って権威を高めている事実は注視する必要があります。

 

おわりに

 

「皇胤とは神武天皇の男系子孫を指す」

もう一度おさらいです。

今回の用堂女王も無論、皇胤であります。

人皇初代神武天皇の血をひいた第96代後醍醐天皇を父に持つ男系子孫です。 

これが母方を皇族とし父方を一般人とした場合、東慶寺の権威は地に落ちることがなくても、天に登ることはなかったでしょう。

 

今一度、皇胤に目を向けたい。

そして、その皇胤が残した足跡。 

皇胤が残した余"韻"に浸りたい。

 

そんな思いで連載を開始させていただきたいと思います。

 

*既にたくさんの方にご覧いただいている「天皇陵制覇の道」は第95代花園天皇編をもちまして、今のところ私が奉拝したすべての御陵の記事の紹介が終わりました。しかし、まだまだ天皇陵は各地に鎮座しています。今すぐにでも奉拝に馳せ参じたい所存ですが、今しばらくお待ちいただければ幸いです。

 

参考文献

『別冊歴史読本 天皇家系譜総覧 改訂版』

『歴代御陵めぐり』

東慶寺パンフレット

 

王室研究会大学統轄部長 藤原

Twitterhttps://mobile.twitter.com/as_meiji

 

一部加筆、修正を行いました。また、タイトルが「皇胤を探る」から「皇を探る」に変更されました。(令和2年3月10日)